2012年7月20日金曜日

「コンクリートから人へ」の人災

 谷垣禎一総裁が九州地方豪雨被害状況を視察(熊本・大分)

九州地方を襲った記録的豪雨による被害が各地で拡大しています。
わが党は7月6日、「平成24年九州地方豪雨災害対策本部」を設置し、政府に激甚災害の早期指定などを求めましたが、被害の甚大さを踏まえ13日、谷垣禎一総裁を本部長とする「平成24年九州地方集中豪雨災害対策本部」に改組。
谷垣総裁は16日、熊本県と大分県を訪れ、被害状況の把握に努めるとともに、関係自治体から要望を受けました。
視察には望月義夫国土交通部会長と谷公一同本部事務局長も同行しました。一行はまず、土砂崩れで民家が崩壊し、犠牲者を出した熊本県南阿蘇村立野地区と阿蘇市一の宮町坂梨地区を訪問。犠牲者に黙とうを捧げた後、県の担当者から被害状況の説明を受けました。
続いて約30人が避難生活をおくる「一の宮保健センター」に足を運びました。谷垣総裁は「いま大変苦しいと思うが、みなさんが一日も早く元の生活に戻れるよう、全力でやらせていただく」と述べ、避難者を励ましました。
また、同市役所で行われた同市と周辺3町3村の関係者との意見交換会では、住民の足であるJRや国道の早期復旧を求める意見が出されたほか、ホテルの予約のキャンセルが相次ぐなどの被害状況が報告されました。
このあと一行は大分県竹田市へ移動。同市役所で首藤勝次市長から被害状況の説明を受けました。
同市では市内を流れる玉来川が氾濫し、鉄橋が流されるなど甚大な被害を受けており、首藤市長は「玉来ダムの事業が2年間ストップした。ダムが完成していればという気持ちだ」と訴えました。実際、2年前に稲葉ダムが完成した稲葉川流域では玉来川とは対照的に今回の集中豪雨での大きな被害が抑えられています。
一行は流木や土砂などで埋め尽くされた玉来川沿いを歩きながら、復旧に追われる市民の激励にあたりましたが、市民からも「これは人災だ」と玉来ダムの完成を求める声が相次ぎました。
視察を終えた谷垣総裁は記者団に対し、「民主党は『コンクリートから人へ』と言うが、町の安全に関わるものはきちんとやらなければいけない。大きな教訓だ」と述べ、野田政権の防災対策を批判するとともに、直ちに激甚災害に指定すべきだとの見解を示しました。
また、今回を視察を受けて20日、政府に迅速に対応するよう申し入れを行いました。


■九州地方集中豪雨災害に対する政府への申し入れ■


先の九州地方の豪雨災害に対して、わが党は7月11日、「九州地方豪雨災害に対する政府への申し入れ」を行い、迅速な対応を強く要請したところである。
しかし、豪雨は再び激しさを増して記録的な大雨となり、わが党としての対応組織を「九州地方集中豪雨災害対策本部(本部長・谷垣禎一総裁)」として強化し、16日、谷垣禎一総裁を団長とした視察団を編成して、現地調査を行い、被災自治体の関係者や被災者より切実な要望を聴取した。
政府におかれては、これを踏まえた次の諸項目について、真摯に受け止め、命と暮らしを守るための迅速かつ万全の対応を取られるよう強く要請する。

1.ゲリラ的な集中豪雨がいつ襲ってくるか予測できない昨今の気象状況である
    ことから、再びの集中豪雨に耐えられるよう応急の河川、地滑り、山崩れ・
    がけ崩れ対策工事などを急ぐこと。

2.速やかに「激甚災害指定」を行うとともに、河川改良工事などについて、
  激甚災害対策特別緊急事業として位置付け、期間、事業費などを早急に樹立
  すること。

3.九州各地の山地などにおいては相当な被害が生じていると見られているが、
  現場調査が難航していることから、人的支援も含め、被害の全容把握を急ぐ
  こと。

4.集中豪雨による被害の実態を十分踏まえ、「被災者生活再建支援法」の速や
  かで柔軟な運用を図るとともに、住まいの確保に万全を期すこと。

5.農業・畜産業・林業・水産業、商工業、観光業などの復旧に向けた十分な
  支援策を講じるとともに、風評被害対策にも万全を期すこと。

6.公共土木施設、農林水産施設、公共施設、水道施設などの復旧に加えて、
  災害廃棄物処理などの経費が自治体財政に負担を生じないよう、交付税の
  前倒し交付を含め十分な支援措置を講じること。

7.今回の災害現場を見るに、治水ダムの遅延が被害を大きくしたことがうか
  がえる。今回の苦い教訓を十分踏まえ、全国の災害危険区域への思い切った
  治水、砂防、治山施設の整備に取り組むこと。

8.「平成24年7月九州北部豪雨」を踏まえ、早急に河川などの整備水準の
  見直しを図ること。

9.国道57号線などを始めとした基幹道路や、JR豊肥本線などを始めとした
  交通インフラの早期復旧に全力を尽くすこと。

平成24年7月20日
自由民主党平成24年九州地方集中豪雨災害対策本部

2012年7月14日土曜日

集団的自衛権の行使を可能に 国家安全保障基本法案の概要を了承

国防部会と安全保障調査会がまとめた、集団的自衛権の行使を可能にする「国家安全保障基本法案」の概要が6日、総務会で了承されました。
次期総選挙で、同法案で示された安全保障の基本方針を掲げて国民に是非を問い、政権奪還後、同法案の成立を目指します。

■6年越し議論  総選挙で国民の是非を問う

同法案は、各行政機関が連携して安全保障上必要な配備や、自衛隊行使に伴う文民統制を確保する規定などを定め、国の安全保障の基本方針を示すものです。

昭和32年に閣議決定した「国防の基本方針」や、国の方針を示す武器輸出三原則、非核三原則がありますが、いずれも法律で定められていません。

そのため、法律で普遍的な国の防衛に関する基本方針を求める声が強く出され、平成18年から党内で議論を重ねてきました。

最大の目玉は集団的自衛権の行使を一部可能にすることです。

国連憲章では、国家固有の権利として個別的自衛権と集団的自衛権の保持を定めていますが、「個別的自衛権は行使できるが、集団的自衛権は保持しているが行使できない」「自衛権の行使は、必要最小限度の実力行使にとどめる」のがこれまでの政府見解でした。

これに対し同法案では「国連憲章に定められた自衛権の行使については、必要最小限にすること」と規定。

「必要最小限度の範囲内」とすることは残しながら、従来の個別的自衛権に加え、集団的自衛権が含まれるようにしました。

この背景には、日本が日米同盟を強化して対応すべき脅威は多様化しており、「必要最小限度」の質的・量的範囲は情勢の変化により変わっていかなければならないとの判断があります。

石破茂安全保障調査会長は6日の記者会見で「憲法改正を先に行うべきではないか」との質問に対し、「現行憲法を改正して集団的自衛権の行使を可能とすることが望ましいが、国際情勢を考えれば憲法改正まで待つことはできない」との認識を示しました。

 

■「国家安全保障基本法案」骨子のポイント■

●国連憲章に定められた集団的自衛権の行使を一部可能にする・教育、科学技術、
 建設、運輸、通信などの分野で安全保障上必要な配慮をする・安全を確保する
 上で秘密保護のため法律・制度上必要な措置を講じる・安全保障に関する施策
 を総合的かつ計画的に推進するため、安全保障基本計画を定めねばならない

●自衛隊に対する文民統制を確保するため、自衛隊の行動に国会が関与する法律
 を別途定める

●世界全体の核兵器を含む軍縮に努力する

●武器及びその技術の輸出入は、国際紛争を助長することがないよう配慮する

九州地方豪雨災害に対する政府への申し入れ

茂木敏充政務調査会長を本部長とする「平成24年九州地方豪雨災害対策本部」は、11日、現地視察などを踏まえ、中川正春防災担当大臣に早急に対策を講じるよう申し入れました。

【九州地方豪雨災害に対する政府への申し入れ】

九州地方の豪雨災害について、我々は直ちに災害対策特別委員会を開催し、6日に「九州地方豪雨災害対策本部」を立ち上げ、現地に視察団を派遣した。
現地調査を行い、被災自治体の関係者や被災者の要望を聴取し、これを踏まえて次の諸項目を政府に申し入れる。
政府におかれては、迅速に対処し、財政的にも人的にも十分な対応を取られるよう強く要請する。


1.「ゲリラ豪雨」がいつ襲ってくるか予測できない昨今であることから、再びの
   豪雨に耐えられるような応急の河川、地滑り対策工事などを急ぐこと。

2.早期の復旧、復興に資するような「激甚災害指定」を急ぐこと。

3.九州各地の山地などにおいては相当な被害が生じていると見られているが、
    現場調査が難航していることから、人的支援も含め被害の全容把握を急ぐ
  こと。

4.豪雨による被害の実態を十分踏まえ、「被災者生活再建支援法」の速やかで
  柔軟な運用を図ること。

5.農林水産業、商工業、観光業などの復旧に向けた十分な支援策を講じること。

6.公共土木、農林水産施設、水道施設などの復旧に加えて、災害廃棄物処理など
  の経費が市町村財政に負担を生じないよう、十分な支援措置を講じること。

7.今回の災害現場を見るに、砂防ダム、治山えん堤などが減災に相当な効果が
  あったことが認められる。単なる現状復旧だけでなく、土壌の特殊性を踏ま
  え、災害危険区域への思い切った砂防、治山施設の整備に取り組むこと。


平成24年7月11日
自由民主党 平成24年九州地方豪雨災害対策本部

2012年7月7日土曜日

メドヴェージェフ・ロシア連邦首相の国後島訪問に対する決議

7月3日にロシア連邦のメドヴェージェフ首相が北方領土の国後島を訪問した。大統領としては平成22年11月に同じく国後島を訪問しており、今回で2度目である。

6月の野田首相とプーチン大統領との日ロ首脳会談においては、北方領土問題についての交渉の「再活性化」と「静かな環境で協議する」ことを合意したばかりではなかったのか。

わずか半月後のメドヴェージェフ首相の国後島訪問は、この両首脳の努力を一方的に破棄する暴挙であり、わが国国民の感情を傷つける行為は断じて容認できない。

わが党はメドヴェージェフ首相の国後島訪問を受け、日本の領土と主権を守るため、政府が以下の対応を毅然として行うことを強く求める。

                   記

一、メドヴェージェフ首相の国後島訪問に関して、わが国政府の対応は外務次官が
  駐日ロシア大使を呼び、遺憾の意を表明したに過ぎない。事の重大性に鑑み、
  外務大臣による抗議声明を出し、国家として意思を明確に示すこと。

二、このような事態に至ったロシア政府の目的等を把握するため、駐ロシア日本国
  大使を呼び事情を聴取すること。

三、メドヴェージェフ首相のみならず、ロシア政府高官、議会要人の中に歴史的
  事実に反する事を公然と主張する者がいるが、これらの発言に排して、政府は
  適宜明確に反駁すること。

四、予定されている外務大臣のロシア訪問については、状況の改善があるまで見合
  わせること。

五、ロシアで開催されるAPECへの野田首相の参加については、状況を踏まえ
  つつ再検討すること。

六、民主党政権は北方領土の状態をロシアによる「不法占拠」と表現しないなど、
  表立った抗議を避けており、これがロシア側への誤ったメッセージとなって
  いる。政府は対ロシア外交の在り方を再考すべきである。

以上、決議する

平成24年7月4日

自由民主党政務調査会 外交部会 領土に関する特命委員会 

MV-22オスプレイの運用について政府に申し入れ

米国防総省は6月29日(日本時間)、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)に現在配備されているCH―46中型輸送ヘリに代わって垂直離着陸輸送機「オスプレイMV22」を配備すると日本政府に正式に伝えました。

これを受けて国防部会と安全保障調査会は7月3日合同で会議を開きました。米側は24日頃に機体を分解した状態で米軍岩国基地(山口県岩国市)に搬入し、試験飛行を行った上で8月に普天間に配備する方針ですが、モロッコとフロリダで墜落事故が相次いでいることから、関係自治体は受け入れに反対の姿勢を示しています。

この日の会合で茂木敏充政務調査会長は「(モロッコとフロリダでの)事故の原因究明が終わっていない段階で配備をすれば、沖縄、政府、米国の溝がさらに大きくなり、これが大きな意味で日米同盟を棄損するという認識を政府として持つべきである」と政府の姿勢を批判しました。

出席議員からは「1、2カ月で事故の調査結果が出るのに、なぜ無理に配備を進めようとするのか」「今後の配備スケジュールについて米側と交渉をやり直すべきだ」などの意見が出されました。

合同会議では米国の事故調査を踏まえ安全性が確保されない限りオスプレイの国内運用はすべきではないとして、政府に対し米側との協議、調整を求める決議を採択。

会議終了後、茂木政調会長、中谷元政調会長代理らは総理官邸を訪れ、藤村修官房長官に決議文を手渡しました。




    【日本国内におけるMV-22オスプレイの運用に関する申し入れ】


平成24年7月3日
自由民主党政務調査会


米国政府は本年6月26日にCH-46飛行隊をMV-22飛行隊に改編するとの方針を接受国たるわが国に通報した。

米国は老朽化したCH-46をMV-22オスプレイに更新する方針であるが、オスプレイは開発段階において事故が多発したこと、また本年4月にモロッコ、6月にフロリダにおいて墜落事故が発生したことから、受け入れ先の地元の方々が機体の安全性についての懸念を強く持っている。

現在、米国は4月及び6月の事故の調査を進めているところであり、その結果は7月末、8月末までに出されることが見込まれている。

今後、1、2か月で事故調査が明らかにされるという中で、民間の船のチャータースケジュールの関係などという理由で、拙速に配備を進めれば、沖縄を始め地元自治体と、政府、米国の溝はさらに大きくなり、これが大きな意味で日米同盟を棄損するという認識を政府として持つべきである。

また、米国における原因究明調査結果を踏まえ、それを検証した結果、安全性が確保されない限り、オスプレイの国内運用はすべきではない。

政府は、この問題について、政府に対し、米国の調査及びわが国の検証の経過及び結果を、わが国国民特に地元の方々に、丁寧かつ誠意を持って説明していくことを強く求める。

以上、申し入れる。

2012年6月29日金曜日

『社会保障と税一体改革』について

6月15日、自民党・公明党・民主党の3党は「社会保障と税一体改革関連法案」について合意し、わが党が求めた修正を行った上で社会保障と税のパッケージとして法案を提出しました。会期末21日までに衆議院で法案を採決・可決する約束でしたが、民主党内の混乱によって日程はずれ込み、26日、賛成多数で衆議院可決いたしました。
少子高齢化が大きく進展するわが国において持続可能な社会保障制度を確立するとともに、世界各国が経済財政危機に直面する中で日本が財政再建と経済成長の両立による再生へ向けて大きな一歩を踏み出すこととなりました。
採決では与党民主党から57名の造反者が出ました。野田総理が最重要法案と位置付ける一体改革でさえ、党内を一本にまとめることができず、もはや民主党政権の政権運営能力の限界は明らかです。



【1】与野党協議に臨むにあたっての基本方針


社会保障と税の与野党協議をスタートするにあたって、わが党は、3つの基本方針をもって臨みました。

(1)6月15日までに結論を得て、会期末6月21日までに採決をすること。

(2)社会保障の協議を先行して行い、その合意を得た上で税の合意を得ること。
   あくまで全体のパッケージとしての合意であって、税だけの合意や一部の
   パーツのみで合意はない。

(3)社会保障での合意の前提は、自民党が提案した「社会保障制度改革基本法案
  (骨子)」を受け入れること。


6月8日の与野党協議開始以来、わが党はこの基本方針を堅持しつつ精力的な協議を続けてきました。


【2】社会保障制度は自民党の考え方が全面的に反映


民主党が修正合意の上、受け入れることとなった自民党の「社会保障制度改革推進法案」では、まず、第一の「目的規定」で、この法案は我々の政権時代に策定した「平成21年税制改正附則104条の規定の趣旨を踏まえて持続可能な社会保障制度の確立を図るため、社会保障制度改革について、その基本的な考え方その他の基本となる事項を定める」としており、社会保障制度改革の基本方針は、民主党のマニフェストや本年2月17日に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱」ではなく、自民党の考え方がベースになることが明記されています。

●また、第二項の「基本的な考え方」では

- 自助・共助・公助の適切なバランスに留意し、自立を家族の助け合いなど
   を通じて支援していく

- 税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制しつつ、
   持続可能な制度を実現する

- 国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う
   観点などから、社会保障給付に要する公費負担の費用は消費税収を主要な
   財源とする

など、自民党の社会保障政策の基本理念が全面的に反映されたものになっています。

●公的年金制度、医療保険制度、介護保険制度については、「社会保険制度
  を基本」とすることを明確にするとともに、各分野で国民の負担の適正化や
  サービスの範囲の適正化など必要な改革の実施を規定しています。
  また、少子化対策では、単に子育てに対する支援にとどまらず、就労、出産、
  育児等の各段階に応じた支援を幅広く行う。待機児童に関する問題を解消
  するための即効性のある施策を推進するといったわが党の考え方がそのまま
  盛り込まれています。
  さらに、生活保護制度の見直しでは不正受給への厳格な対処、生活扶助、
  医療扶助等の給付水準の適正化、就労の促進など、自助を基本としたわが党
  の生活保護制度の見直しの方針を反映したものとなっています。


【3】民主党マニフェストは総崩れ


●今回の三党協議に基づく合意文書及び「社会保障制度改革推進法案」により、
  公的年金制度及び高齢者医療制度にかかる改革については、その内容について、
  三党協議、そして社会保障改革国民会議の議論を経て、必要な法制上の措置を
  講じるとの仕組みが組み込まれました。
  三党協議や国民会議で決定する項目には当然に施策の実施時期も含まれること
  から、民主党のマニフェストに基づく新年金制度の創設や後期高齢者医療
  制度の廃止のための法案をこの通常国会や来年の国会に提出するという方針
  は白紙に戻り、実質上マニフェストの撤回となりました。

●また、「社会保障制度改革推進法案」では、公的年金制度については、「財政
  の現況及び見通し等を踏まえ」、高齢者医療制度については「状況等を踏ま
  え」とされており、自民党の主張通り現行制度をベースに議論が始まること
  になりました。


【4】社会保障・税一体改革関連7法案の主な合意内容


社会保障分野は、民主党との間に大きな隔たりがありましたが、わが党の考え方がほぼ全面的に受け入れられ、法案の見直し、修正が図られました。

<年金関係>

●低所得高齢者等への年金額加算及び高所得者の年金額調整

(1)低所得・低年金者への対応は、年金制度ではなく福祉制度において実施すべ
      きとの自民党の主張に沿って、年金額加算ではなく福祉的な給付措置とし
     て実施することに修正しました。

(2)高所得者の年金額調整については、保険料納付に応じて年金が支給される
      という保険原理を堅持すべきとの自民党の主張に沿って、実施しないこと
     に修正しました。(検討事項に)

●短時間労働者の社会保険適用拡大

自公政権時に提出した法案とほぼ同じ方向ですが、以下の3点についての自民党の提案に沿って修正しました。

(1)適用拡大対象者の標準報酬月額の下限を、7.8万円から8.8万円へ引上
      げることにより対象者の極端な拡大を抑制

(2)消費税引上げ(平成27年10月)の影響を踏まえ、実施時期(平成28年
      4月)の後ろ倒し(平成28年10月施行に)

(3)「施行後3年までに適用範囲をさらに拡大する」との見直し規定を「施行
       後3年以内に検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講じる」に修正
       (注)被用者年金一元化法案は、自公政権時に提出した法案と全く同内容
            (実施時期を除き)。


<子育て関係>

●総合こども園は創設せず、自公で進めてきた現行の認定こども園を拡充する。子ども・子育て支援関連の財源については内閣府に一元化する一方、制度の大枠は、給付の仕組みも含めて、幼稚園、保育所、認定こども園の現行制度を維持することに修正。また、自民党の主張に沿って、即効性のある待機児童解消策等を実施することに修正しました。
(注)認定こども園を拡充するために、「認定こども園法改正案」が議員立法で提出され、政府提出の「総合こども園法案」は廃案に。

<税関係>

●消費税の税率及び引上げの時期
わが党が参院選挙等で主張してきた通り、消費税率を5%引上げ10%とすることとし、その時期等については、2014年4月に5%から8%、2015年10月に8%から10%とすることとしました。

●経済への配慮
消費税の引上げに際しては、経済状況を勘案することとし、その判断にあたってはわが党の主張により、法案の景気条項に「成長戦略や事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分するなど、わが国経済の成長に向けた施策を検討する」ことを盛り込みました。

●低所得者への配慮
「簡素な給付」について、政府案には開始時期が明記されていませんでしたが、我々の主張により、8%引上げ段階から実施することを明記しました。
一方、消費税引上げ時に本格的な低所得者対策を実施することとしていますが、わが党が主張している「複数税率」と政府が主張してきた「給付付き税額控除」について並列で検討されることとなりました。

●中小企業事業者への配慮
中小企業事業者にとって適正な消費税の転嫁を行えることが重要であり、政府案にはなかった「円滑かつ適正な転嫁を可能とする必要な立法措置を行う」ことを明記しました。

●消費税以外の税目(所得税及び相続税)の取扱い
政府案にあった所得税の高額所得者への課税強化及び相続税の課税強化については、今後検討し、来年度の税制改正において必要な措置を行うこととなりました。


今後は、参議院において法案審議が進んでいきますが、民主党が先の衆議院選挙で約束したマニフェストの破たんはもはや明らかです。また、あらゆる問題で党内が分裂し、今回の採決においても党内から57名の造反者がでたように、民主党はもはや政党の体を成していません。考え方が異なる政治家は、別の政党に分かれて行動するのが筋であると考えます。
政権交代から2年9ヵ月、素人集団による「何も決められない政治」が続いています。わが党としては、社会保障と税の一体改革法案に一定の結論をつけた上で、早急な解散・総選挙により、「決められる政治、進められる政権」の実現に向け、国民の信を問うことを求めていきます。

2012年6月27日水曜日

谷垣禎一総裁 記者会見【H24.6.26(火)】

社会保障と税の一体改革の関連法案、社会保障制度改革推進法の制定をはじめとしまして、自民党の主張を全面的に反映させる形で修正合意ができまして、衆議院を通過したこと。これは今、「決められる政治」を求められているわけですが、その実現に向けて大きな前進であったと思います。私どもも野党として出来る限りの協力をして、ここに漕ぎつけたということであります。そして今回の三党合意によりまして、最低保障年金をはじめとする民主党のマニフェストは事実上全部反故になってしまった。事実上全部撤回となってしまった、ということであります。
政策面ではそういうことでありますが、他方今回、民主党の党内手続きの混乱によりまして、採決日程も大幅にずれ込んだ。それから、総理が最重要法案と位置付けるこの社会保障と税の一体改革について、民主党を一本にまとめることができなかった。これは極めて大きなことでございます。民主党執行部は、造反者に厳しい処分で臨むべきであります。我々は三党合意を致しました。したがって、参議院でも基本的には協力するということでありますが、その前提はきちっと民主党として体制を立て直す、処分をきちっとするということにございます。それで、このように政策面、それから政権基盤の双方で民主党の政権担当能力の喪失が明らかになって来たということはですね、国民に信を問う必要というものが益々強まっているということを意味しております。今後わが党としては、参院において法案審議を進めた上で、早急に解散総選挙によって国民の信を問うことを求めていきたい、このように考えております。

【質疑応答】
Q:自民党の解散戦略について、参院で法案審議を進めた上で解散を求めるとのことだが、法案成立後の解散ということか。
A:これはですね、一体どのように体制を整えてくるか。要するに野党に協力を求めて来ながら、与党としてはですね、自分の所で色んな人が一緒になっているということで、果たして参議院の審議が終わりまでスムーズに終わるのかどうか。今非常に暗雲に包まれている状況です。その辺りをどうしていくかということがないとですね、なかなか協力もしづらい。ですから今のご質問もですね、「まだ視野が及んでいない」とお答えするしかないですね。

Q:総裁自身は消費増税に熱意をお持ちかと思うが、そういう立場の総裁が参議院の審議を通じて民主党を追い込んでいくというのは、総裁ご自身も法案成立に意欲を持っている以上、構造的に限界があるのではないか。
A:限界があるというのはどういう意味かよく分かりませんが、私どもはこの三党合意という限りにおいては協力するということですけれども、与党になったわけでもありません。連立を結んだわけでも決してありません。我々は当然、与党の問題点を突いていく。これは当然のことであると思います。それを放棄したら、我々は何のために国会に議席を持っているのかもあやふやになりますね。ですから政権担当能力を与党が喪失しているなら、それを指摘して解散に追い込んでいくというのは、私は当然のことであると考えております。

Q:民主党内の処分について、民主党内では造反者に対する処分を軽いもので済ませて良いのではないかという声も出ているようですけれども、この点についてどのようにお考えか。参議院での審議で、自民党として協力しない、あるいは法案に賛成しないという選択肢もあるのか。
A:それはこれからの民主党の出方によりますね。これだけ重要なことについてこれだけ沢山の方が造反をするというようなことでですね、果たして私どもはこの党に協力できるのかどうかという問題があります。ですから私どもはこの参議院での審議に臨むにあたって、与党としてきちっとけじめをつけてくることが必要だと思います。これだけ重要なことでですね、行動が共にできないということであれば、政治家として党を分けて行動するということも、当然のことではないかと私は思っております。

Q:民主党の対応次第では、参議院の審議で協力できない、あるいは法案に賛成しかねるということもあるか。
A:そうです。三党合意に沿って、協力の用意はございます。しかし、けじめのつけ方なり、それからもう一つその関係で申し上げておきたいのは、我々の意向にも反して、選挙制度改革法案を強硬に委員会に下ろすということがございました。こういうこと一つを見てもですね、我々はやはり批判すべきものは当然批判していなければならないし、反対するものは当然反対しなければならない。繰り返し申し上げますが、三党合意を結んで、自民党が与党に入ったかのような理解は全くふざけた理解だと私は思っております。

Q:選挙制度改革法案について、与党が強引に吊るしを下ろしてきたわけだが、自民党の対応として、対案として0増5減の法案を提出する用意はあるか。また選挙制度改革法案の審議について、現時点で応じる考えはあるか。
A:それはやりようによっては当然のことながら、この税と社会保障の一体改革の審議にも関係してくるということは申し上げておかなければならないと思います。無関係ではありません。

Q:衆参で違うが、衆院の選挙制度の審議が参院の一体改革の審議に…。
A:それは党と党との関係で、我々に協力を求めておきながらそういうことをやるなら、我々だって舐められちゃいられないということですよ。当たり前じゃないですか。

Q:0増5減の対案について、現時点では。
A:それはポケットの中に入っていることは入っております。しかし向こうの出方を見ながら我々も臨機応変に対応しておきたいと考えております。

Q:先日、部分的な連立については言及したが、大連立について、現時点ではどのように考えているか。
A:現時点では全く否定的でございます。

Q:今回のような三党合意の枠組みでの政策合意を図ることは、消費税法案以外でもありえるのか。
A:なかなか難しいでしょうね。今のところこの税と社会保障の一体改革についてはこういう合意ができたわけですけれども、全てに亘ってこういうことであるということではありません。

Q:これだけ重要な法案でこれだけの数が造反したとのことだが、57名の造反というのは、執行部が処分を緩めた結果だと見ているか。
A:この他党の中がどうなっているのかというのは、あまり踏み込んだ発言をすべきではないと思っております。私の要求しているのはただ一つ、我々に協力を求めてくるなら、自分の足元を固めて下さい、党を固めて下さい、党がまとまらないのであるならば、はっきりとどなたが協力の相手であり、どなたが協力の相手でないのかをはっきりと示していただきたい。それなくして、協力してくれなどということはおかしなことではないかということを申し上げているのであって、向こうの党での対応の良し悪しというようなことは、私は論ずるつもりはありません。

Q:厳しい処分を求めるとのことだが、分けて行動するのは当然だとの発言もあった。処分の内容について、除名、あるいは離党勧告など、民主党から出ていくように処分をすべきという考えか。
A:これは先程申し上げたことだが、どういう処分をするかということは我々が注文をつけることではないと思っております。ただ我々がいかなる形であれば協力が出来るかということは、自動的に協力をするという話ではないと、そのけじめを、誰が我々と協力する相手で、誰と協力できないのか明確にしない限り、協力ということはできないということを申し上げているのであります。

Q:同じ党の中にいる限りは、誰が協力できる相手で、誰が協力できない相手かということは、はっきりしないという認識か。
A:常識的に言えば、そういうことを申し上げているわけです。

Q:今の民主党の執行部には、処分する能力がないとお考えか。
A:あまり他の党に失礼なことを申し上げるのは私としては気が重い。しかし、今までさんざん我々が苦労をいたしましたのは、私だけではない色々な方が指摘しているわけですが、要するに衆議院で480の内300近い議席を持ちながら、意思決定の仕組みそのものが十分にできていなかったとかですね、あらゆる意味で未成熟であったり、党内をコントロールできていないという状況があちこちにあるわけですね。寄り集めの状態で、民主党がいかなる党であるかというアイデンティティも確立できていなかったことが、今日に及んでいるのだろうと思います。ですから、率直に申し上げれば、どこを直せばと言ったって困るんですよね。色々なところに問題がありすぎだということなんですが、それ以上申し上げると失礼だから、言葉は控えます。

Q:処分について、参議院での法案の審議を始める前に処分を行うべきとお考えか。そういうことが行われない限り、参議院での審議を始めるということ自体に協力しかねるということか。
A:誰と合意を結んで誰が党首なのか、誰が味方で誰が敵なのか分からない状態では、協力しろと言っても難しいですよね。そこはまず、けじめをつけていただくべきだと思います。

Q:民主党内の造反者が57名と言われている。この方々が内閣不信任案に賛同すれば通ると思うが、参院の審議が終わる前に不信任案を提出する考えはあるか。もしくは小沢さんのグループが離党して不信任案を提出した場合、自民党として賛成する考えはあるか。
A:これは先程申し上げたことと関連しますが、私どもは三党合意を結んだという限りにおいて協力をするという用意がある。このことは、我々も責任を負っているわけですね。ただ先程から何回も申し上げておりますように、誰が協力相手か分からないような状況では、物事がスタートしないだろうということはございます。しかし、要するに協力をしたのは三党合意に関してであって、他のことに関しては協力をする義務を負っておりませんし、与党の問題点を徹底的に突いていく必要があるわけですね。政治で解決を求められているのは、決して税と社会保障だけではありません。安全保障の問題であれ、為替の問題であれ、色々な対応を求められていることがあるわけであります。そこで政権担当能力がないということになったら、三党合意をしたからといって、全て協力するというわけにはいきませんね。ですからそこは、我々は臨機応変に、適宜適切に対応するとしか今の段階では申し上げるしかありません。もう一つご質問の中で、もし今、造反をした方達がですね、離党して不信案を出した時はどうするかというお問いかけもあったかと思います。これはまだ離党もされていなければ、今の衆議院の仕組みではですね、独自に不信任案をお出しになることはできませんから、今ただちの問題ではないのだろうと思います。しかし、そういったことについても、全く一般論として申し上げていることですが、我々は決して与党ではない。野党として与党の問題点を追及していく立場にあるのだということを考えれば、「適宜適切に対応する」としかお答えのしようがありません。

Q:自民党の中に欠席をされた方がいるが、処分をする考えはあるか。
A:幹事長の下で、どのような処分をするかを検討していただくことになると思います。

Q:その方からは事前に欠席する旨の連絡が執行部の側にあったのか。
A:文書が届けられたと聞いております。

Q:どのような内容だったのか。
A:賛成できないという内容だったと聞いております。

Q:民主党の小沢元代表が先程、自分を支持する議員との会合で、今の段階で新党はないということをおっしゃったようですけれども、これについてどう思うか。
A:よく理解できないですね。これだけ大事な、基本的なことで違うとおっしゃるならば、今のところ新党はないと、何をおっしゃっておられるのかよく分かりません。小沢さんだって、野田総理の選任に無関係ではないですよね。小沢さんは「野田佳彦」と首班指名でお書きになって臨まれたのではないかと思います。その内閣総理大臣が、政治生命を賭けて「これだけはやりたい」ということに反対されるのであれば、それはそれだけのお覚悟がなければならないのであって、今のところ考えないというのは、何か全くよく分からない対応だと思います。

Q:中川元幹事長が本日欠席されたわけだが、前回の郵政改革法案の処分と同程度、あるいはこの法案の重要性に鑑みて、より厳しい処分をお考えか。
A:幹事長の下で処分を検討していただくということですから、そこで考えていただくということであります。

Q:そこは、総裁のリーダーシップを発揮されるおつもりはないということか。
A:私は石原幹事長、あなたの下で検討してくれと申し上げたわけで、これがリーダーシップでなくて何がリーダーシップですか。

Q:昨日、造反者を処分できなければ参議院で一緒に審議を進めていけるかは疑問とおっしゃった。民主党は参議院で審議する前に処分すべきということだと思うが、中川元幹事長については、参議院での審議前に処分の結論を出すべきとお考えか。
A:石原幹事長にお任せをしております。

Q:法案可決後に野田総理が挨拶回りに来ていたが、総裁からどのような話をして、総理の方からどのような話があったのか。また、可決後に会って、野田総理の表情、印象をどう受け止めたか。
A:私が総理に申し上げたことは、「総理ご苦労様でした。ただこれは、総理にとって大変厳しい結果だったと思います。参議院での審議の前に、きちっと体制を立て直すことを期待いたします」と、私が申し上げました。あとどういう印象かということについて、特に印象はございません。

Q:今日の役員会の中でも党首会談についての話があったようだが、衆院通過後に党首会談をやってはという声もあるようだが、現時点でどのようにお考えか。また総裁はかねてより、政策的なけじめと同時に政治的なけじめも必要だとおっしゃっていたが、今日衆院を通過したわけだが、政治的なけじめについてはどのような整理をしているのか。
A:党首会談について、自分から求める気持ちはありません。けじめについては、政策面も政権担当能力も喪失していることがあきらかになっているわけですから、可及的速やかに解散を求めるのが当然のことだと思います。

Q:党首会談について、野田総理から求めがあった場合、参院の審議に応じる条件などを話し合うために会談に応じる考えはあるか。
A:向こうから求めてくる前に、応じる気持ちがあるなどと言うつもりはありません。私の方から求める気持ちがないというのは、そういうことでございます。