2012年7月7日土曜日

メドヴェージェフ・ロシア連邦首相の国後島訪問に対する決議

7月3日にロシア連邦のメドヴェージェフ首相が北方領土の国後島を訪問した。大統領としては平成22年11月に同じく国後島を訪問しており、今回で2度目である。

6月の野田首相とプーチン大統領との日ロ首脳会談においては、北方領土問題についての交渉の「再活性化」と「静かな環境で協議する」ことを合意したばかりではなかったのか。

わずか半月後のメドヴェージェフ首相の国後島訪問は、この両首脳の努力を一方的に破棄する暴挙であり、わが国国民の感情を傷つける行為は断じて容認できない。

わが党はメドヴェージェフ首相の国後島訪問を受け、日本の領土と主権を守るため、政府が以下の対応を毅然として行うことを強く求める。

                   記

一、メドヴェージェフ首相の国後島訪問に関して、わが国政府の対応は外務次官が
  駐日ロシア大使を呼び、遺憾の意を表明したに過ぎない。事の重大性に鑑み、
  外務大臣による抗議声明を出し、国家として意思を明確に示すこと。

二、このような事態に至ったロシア政府の目的等を把握するため、駐ロシア日本国
  大使を呼び事情を聴取すること。

三、メドヴェージェフ首相のみならず、ロシア政府高官、議会要人の中に歴史的
  事実に反する事を公然と主張する者がいるが、これらの発言に排して、政府は
  適宜明確に反駁すること。

四、予定されている外務大臣のロシア訪問については、状況の改善があるまで見合
  わせること。

五、ロシアで開催されるAPECへの野田首相の参加については、状況を踏まえ
  つつ再検討すること。

六、民主党政権は北方領土の状態をロシアによる「不法占拠」と表現しないなど、
  表立った抗議を避けており、これがロシア側への誤ったメッセージとなって
  いる。政府は対ロシア外交の在り方を再考すべきである。

以上、決議する

平成24年7月4日

自由民主党政務調査会 外交部会 領土に関する特命委員会