2012年8月30日木曜日

国民生活センターのあり方に関する緊急アピール

       国民生活センターのあり方に関する緊急アピール

平成24年8月23日
自由民主党政務調査会
消費者問題調査会
 
国民生活センターは、昭和45年の設立以降40年以上の長きにわたり、消費者行政における国の中核的実施機関として、消費者相談や相談員等を対象とした研修、商品テスト等を実施してきた。

また、近年では、専門的知見を活用して重要消費者紛争について迅速に解決を図るため、裁判外紛争解決機能(ADR)を新たに付与した。

さらに、わが党が消費者庁を設置した際には、地方消費者行政の支援を一層強化するため、国民生活センターを「センター・オブ・センターズ」と位置付けた。

そして、従来の取組の拡充とともに、消費者安全法により国における緊急時の迅速な対応に資するよう、地方消費者行政の支援策として、消費生活相談専門員の巡回訪問、消費生活相談員養成講座、商品テストの充実強化、PIO―NET端末の追加配備などと並行して、消費者庁が司令塔としての機能を十分果たせるよう、PIO―NETの刷新、事故情報データバンクの創設など、消費者、生活者が主役となる社会の実現に向け、消費者庁は国民生活センターを適切かつ十二分に活用していくことを企図していた。

しかしながら、一昨年12月以降2年あまりの長期間にわたり、消費者庁は、国民生活センターの廃止・消費者庁への一元化に向けて、結論ありきの議論を続けてきた。

そして、昨日、「国民生活センターの国への移行を踏まえた消費者行政の体制の在り方に関する検討会」において、国民生活センターを消費者庁へ移行することが有力な考え方と結論付けた。

この間にも、「安愚楽牧場」問題や「茶のしずく石鹸」問題などへの対応の不備を糾弾され、早期の確立が求められている「集団的消費者被害回復に係る訴訟制度」の創設等、消費者庁としてやるべき時期にやることをやらず、独立行政法人改革の題目の下、消費者庁が組織形態の体裁を変えようと躍起になっていることは、全くもって理解できない。

わが党は、昨年12月、「国民生活センターのあり方の見直しに関する決議」にて、国民生活センターについて、

(1)独立行政法人改革の検討事項とすることは不見識であること、

(2)機能強化やより高度な行政サービスを目指すべきであること、

(3)消費者庁との一元化に拘泥しないこと、

これらの要請を行ったにもかかわらず、消費者庁及び国民生活センターの組織形態の変更を強行しようとしていることは看過出来ない。

したがって、わが党としては、現在、消費者庁が邁進している国民生活センターを消費者庁へ移行し一元化しようとする短絡的な議論には、断固反対である。

わが党が政権を奪還した際には、消費者庁の人的担保のある形での機能強化など、設立時の理念に基づいた形での消費者行政の推進に尽力することを、ここに宣言する。